1日4時間の業務削減&電話対応大幅削減。「Jtas」導入で責任者とクリーナーに起こった業務改革。

1日4時間の業務削減&電話対応大幅削減。「Jtas」導入で責任者とクリーナーに起こった業務改革。
導入事例

1日4時間の業務削減&電話対応大幅削減。「Jtas」導入で責任者とクリーナーに起こった業務改革。

導入前・導入後

・紙ベースでの管理や確認作業に多大な時間がかかり、責任者は日々の業務に追われていた
・指示書が紙ベースのため、外国人スタッフへの的確な指示が難しく、日本人スタッフとのペア作業が必須となっていた
・インスペクターは清掃不備の発見と修正に追われ、紙のチェックリストでは細かな指摘事項を記録しきれず、同じような不備が繰り返されていた
・タブレット端末を活用したリアルタイムの情報共有により、責任者はより戦略的なマネジメントに注力できるように
・色分けされた直感的なUIにより、外国人スタッフも作業内容を視覚的に把握できるようになり、2フロアに1人の日本人スタッフを配置する体制で運営できるまでに効率化が進んだ
・インスペクションデータの蓄積と共有により品質基準が明確化され、クリーナー自身が基準を理解し、中堅スタッフがインスペクションを担えるまでに成長した

インタビュー

Introduction

静岡駅徒歩5分、県都の中心で半世紀以上にわたり、ビジネスと憩いの空間を提供してきた中島屋グランドホテルとガーデンホテル静岡。両ホテルは、これまで長年洗練されたホスピタリティで多くのゲストを魅了してきました。

そんな伝統あるホテルが、いま大きな変革期を迎えています。200室を超える客室の管理体制を、EDEYANS が開発したホテル客室清掃 DX プラットフォーム「Jtas」で刷新。伝統的なおもてなしの心を守りながら、より効率的で質の高いサービスを目指す、その挑戦の軌跡をご紹介します。

「まずはやってみよう」試行錯誤の末、社長の後押しで「Jtas」導入

── 入社された当初、客室清掃業務の仕組みにどのような課題を感じましたか?

他業界から転職してきた当初、私を待っていたのは分厚い手書きの指示書でした。200室を超える客室の管理を、発注は FAX、備品管理も紙ベースで行う。ホテルという最先端のホスピタリティを提供する場所で、業務の仕組みだけが時代の流れから取り残されているような違和感がありました。
システム導入による業務効率化は何度も試みました。宴会やレストラン部門では一定の成果もありましたが、宿泊部門では理想的な形にたどり着けず。特にコロナ禍が明けてからの稼働率上昇で、課題が一層鮮明になってきたんです。

──「Jtas」導入以前は、具体的にどのような課題に直面されていたのでしょうか?

毎日の業務が時間との戦いでした。清掃スタッフは9時半から14時半まで稼働するのですが、その準備のために私たち責任者は7時前に出勤して入力チェックから始める。日中は発生したミスの対応に追われ、夜は翌日の指示書作成。この状況を何とか変えなければと、危機感は日増しに強まっていきました。

──「Jtas」を知ったきっかけを教えてください。

名古屋で開催されていたマネジメントセミナーで EDEYANS と出会ったのが転機でした。

以前、別会社が提供するシステム導入で苦労した経験から、当初は慎重な姿勢でしたが、社長に「Jtas」導入を提案すると「まずはやってみよう」と背中を押してくれ、新しい一歩を踏み出すことができました。

「もう、Jtas なしでは考えられない」現場で起こった劇的な変化とは

──「Jtas」導入から3ヶ月。業務フローの変化は想定以上だったと伺いました。特に時間管理面での改善が顕著だとか。

本当に大きな変化がおきました。以前は7時前に出勤して準備していた業務が、今では定時の7時45分で十分間に合うように。実は8時過ぎでも対応可能なほど効率が上がったんです。

── 具体的にどんな改善がありましたか?

データ管理の手法が劇的に変わりました。「Jtas」導入前以前に使っていた別のシステムでは、キャンセルが発生した際には事務所がある1階まで移動して指示書のデータを修正し、清掃会社への電話連絡と更新依頼、その後の確認作業という複雑なプロセスが必要でした。さらに、フロント側で予約情報が変更されると、この作業を1からくり返さなければならない。これが1日に何度も発生していたんです。「Jtas」を導入した今では、タブレットを使ってその場で指示書データの修正が可能で、すぐにその情報はクラウドで共有され、客室清掃スタッフの端末に反映されます。

── 電話の本数も減ったとお伺いしています。

大幅に減りました。以前は「この部屋割りで大丈夫ですか」「このセットで問題ないですか」といった確認の電話が常にかかってきました。いまでは突発的な故障の報告以外、ほとんど電話は鳴りません。

── 責任者としての働き方はどのように変わりましたか?

電話対応から解放されたことで、より本質的な業務に集中できるようになりました。画面の色分けで客室のステータスが一目で把握でき、「このクリーナーの人数でこの部屋数なら何時には終わるはず」という進捗管理も可能に。遅れが出ている時でも即座に状況確認ができるなど、より戦略的なマネジメントができるようになりましたね。

── クリーナーの方々からの反応はいかがでしょうか?

「もう Jtas がないなんて考えられない」とみんなが口を揃えて言うほど反応が良いです。特にベテランのクリーナーから、画面が見やすいと好評なんです。手書きの指示書より文字が大きく、色分けされた表示が分かりやすいと。

また、外国人クリーナーの活躍の幅も大きく広がってきました。以前は言語の壁があり、作業指示の共有に苦労していたのですが、いまでは言葉がわからなくても画面の色分けを見て、各自の判断で作業が進みます。2フロアに1人日本人クリーナーを配置すれば、残りは外国人クリーナーだけでも運営できるようになりました。これほどスムーズに変われるとは、正直想像もしていませんでした。

「インスペクション機能」が品質基準を見える化し、クリーナーの意識を変えた

── 「Jtas」のインスペクション機能もご活用いただいているそうですが、機能導入に至った背景をお聞かせください。

本来、インスペクターは客室の販売可否を最終判断する重要なポジションなのですが、実際は清掃不備の発見と修正に追われる日々。特に深刻だったのが、インスペクターとクリーナーの間での認識の隔たりでした。

不備を発見しても、紙のチェックリストでは細かな指摘事項を記録することができず、不備があったと指摘してもクリーナーの「すみませんでした」の一言で過ぎ去ってしまう。そうすると同じような不備が繰り返される。この問題の解決なくして、清掃品質の向上は難しいと考えていました。

── インスペクション機能の使用感はいかがですか?

インスペクション時に発見した不備を画面のタップだけで記録・共有できるようになり、私たちがまさに求めていた品質基準が初めてデータとして見える形になりました。

この変化は現場の意識を大きく変えてきたと感じます。当初「特に指摘がないから、これで良いはず」と考えていたクリーナーたちも、具体的な基準を目にすることで「あ、こういう水準が求められているんだ」と、深く理解するようになってきたのです。

新人インスペクターの育成も、以前は2時間ほど付きっきりで説明していた内容が、はるかにスムーズに伝えられるようになりました。さらに嬉しいことに、中堅クリーナーにもインスペクションを経験してもらえるようになり、現場全体の品質意識が確実に高まってきているのを日々感じています。

── データの蓄積と共有が、現場の意識を大きく変えたのですね。

そうなんです。将来的には「インスペクションが必要ない現場」を目指したいという新たな目標も生まれました。これはもちろん品質管理を放棄するという意味ではなく、すべてのクリーナーが高い品質意識を持ち、自らが基準の担い手となるということです。そんな理想に、1歩1歩近づいているのを実感しています。

創出された時間を活用して、部署横断的な新たな取り組みも

── 業務効率化で生まれた時間を、どのように活用されているのか教えてください。

部署を超えた新しい取り組みが次々と生まれています。2月からは、私たち客室清掃のリーダーがフロント業務にも携わることになりました。お客様の動線を直接理解することで、より良い客室準備ができるようになってきました。

客室清掃終了後には宴会部門のサポートに入ることも増えてきて、部門を超えて「この前助けてもらったから」と声をかけ合える関係が自然と育ってきています。客室清掃効率化で生まれた時間を活かして、お客様の満足度をさらに高められる新しいサービスにも挑戦していきたいと考えています。

── 「Jtas」の導入を検討されている方々へ、メッセージをお願いします。

ぜひ、ためらわずに「Jtas」を取り入れてみてください。テクノロジーに任せられる業務は積極的に任せることで、品質向上や新たなサービスの創造など、本来注力すべきことにより多くの時間を使えるようになります。こうした働き方の転換が、きっと皆さまのホテルをさらに輝かせるはずです。

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