内製清掃スタッフの能力を可視化し、データに基づいた最適な人員配置と人事評価システムを構築
現場責任者
増戸氏
導入前・導入後
・各部屋の清掃状況が把握できず、責任者⇄クリーナー間での清掃状況の把握や指示に関するコミュニケーションが多かった
・清掃不備に起因する重大なクレームが月に数件発生しておりCSスコアへの影響を及ぼしていた
・クリーナーの生産性と清掃品質が可視化され、適切な人員配置が行えるようになり、清掃品質も向上
・可視化された生産性データを基にした人事評価システムの基礎が構築できた
インタビュー
クリーナーの生産性・清掃品質の可視化、客室清掃業務の効率化への期待から「Jtas」導入
千葉県の九十九里浜にあるドゥカーレ・ガーデンホテル・九十九里は、ビジネストリップから旅行まで対応する「ガーデンホテル」、ユニークな「トレーラーハウス」、そして「グランピング施設」を備えた複合型宿泊施設である。国道沿いの便利な立地にありながら、広大な九十九里浜の自然を満喫できる、新しいコンセプトのホテルとして注目を集めている。
このユニークなホテルを運営する株式会社ドゥカーレでは、各宿泊形態に応じた客室清掃手順や品質基準の統一、多様な客室タイプに対応する柔軟な人員配置など、独自の課題への対応が求められていた。そんな中、同社が注目したのが EDEYANS が提供する客室清掃管理システム「Jtas」だった。
出会いは2024年2月の展示会。「Jtas」は、クリーナーごとのルームタイプ別の清掃所要時間・清掃不備を詳細に記録し、それらのデータを基に包括的な清掃レポートを作成する機能を備えている。これにより、個々のクリーナーの生産性を正確に把握することが可能になると考えられた。
さらに「Jtas」 は、清掃指示書のデジタル化や清掃状況のリアルタイム把握(ルームインジケーション)などにより、清掃業務全体を効率化する。これらの特徴が、ドゥカーレ・ガーデンホテル・九十九里の経営陣の目に留まり、導入を決める要因となった。
客室清掃に対する意識の統一。クリーナーの得意不得意を把握し、最適な配置が可能に
ドゥカーレ・ガーデンホテル・九十九里の客室清掃現場責任者であり、「Jtas」導入推進者でもある増戸氏は、「Jtas」がもたらした最大の変化として「客室清掃に対する意識の統一」を強調する。「Jtas」により、客室清掃にどれだけ力を入れているか、どの清掃項目に重点を置いているかが明確になり、それが細部まで浸透しつつあるのだ。
また、同ホテルでは「Jtas」 導入により新人教育や人員配置の効率化も実現した。清掃にかかった時間やミスなどが可視化されたことにより、個々のクリーナーに対する具体的な指導が可能になっただけでなく、それぞれの強みを活かした適材適所の人員配置ができるようになった。
「Jtas」導入をきっかけに、ドゥカーレ・ガーデンホテル・九十九里の清掃不備率は大幅に低下、清掃品質は顕著に向上しつつある。
スマホ1つで客室清掃が完結。クリーナーの主体性は大きく向上
「Jtas」により、クリーナーは手元のスマホ1台で、自分が清掃すべき部屋の情報のみならず、清掃全体の進捗状況が把握できる。これにより、クリーナーは自主的に他の部屋の清掃を手伝うなど、自らの判断で柔軟な対応が可能になった。
高齢のクリーナーも多い中、導入には多少の苦労があった。しかし、「Jtas」の高い操作性により、現在では全員がスマホを積極的に活用する。現場では「もう紙には戻れない」という声も聞かれるという。
責任者の業務にも「Jtas」は大きな変革をもたらした。指示書はクラウドで管理され、変更はリアルタイムでスマホに反映される。これにより、無線機を使わなくとも常に最新情報を共有でき、現場とのコミュニケーションが飛躍的にスムーズになった。
増戸氏は「Jtas」 による効率化を次のように評価する。「アナログな会話ではなく、システムを通じて全員が同じ情報を取りに行ける。これが重要です。特に当ホテルのような多様な宿泊形態と、客室間の距離がある複合施設では、その効果は顕著です。」
ドゥカーレ・ガーデンホテル・九十九里の「Jtas」導入は、単なる清掃業務の効率化にとどまらない。スタッフの主体性向上、コミュニケーション改善、責任者の負担軽減など、多岐にわたる効果を生み出している。
クリーナーの適切な人事評価。その先のゲストの感動へ
ドゥカーレ・ガーデンホテル・九十九里での「Jtas」導入は、単なる業務効率化を超えた意義を持つ。その根底には「人」への2つの重要な思いがある。
1つは、現場で働くクリーナーへの適切な評価と待遇改善だ。「Jtas」により、個々のクリーナーの生産性や清掃品質が可視化され、客観的な評価が可能となった。これは公正な人事評価システムの構築につながり、近い将来の具体的な待遇改善が期待されている。このアプローチは、スタッフの定着や意欲向上にも寄与するだろう。
もう1つは、宿泊客への「感動」創出である。増戸氏は「自信を持って部屋を提供できるホテルにしたい」と語る。清掃をホテルサービスの基本と位置づけ、その品質向上が宿泊客の期待を超える感動につながると確信している。「Jtas」は、この高い目標達成の重要な手段として機能しているのだ。
ドゥカーレ・ガーデンホテル・九十九里での「Jtas」活用は、業務改善ツールの域を超えている。それは、スタッフの育成と満足度向上、そしてその先にある顧客感動の実現という、ホテル業界の本質的な価値創造につながる取り組みだ。
EDEYANS は「Jtas」提供者として、同ホテルの理念とビジョンの実現を今後も全力で支えていく。クリーナーのやりがい向上から、ゲストの感動創出まで、ホテルの価値向上の道のりを共に歩んでいきたい。